花たより|2011月12月21日
花は花でも、今回は生花が全くなくなる雪国の人たちが生みだした、縁起のよいお正月の飾り物です。
写真は、先日18日、こもれびの里で迎春に向けてのイベントがあり、そこで作られた花餅(はなもち)です。
東白川の野山でも、寒い冬に咲く花はほとんどありません。
電気が普及するまでは、天候によっては昼間でも家の中は暗かったはずです。
家の中を少しでも明るくしようと考え、形のよい木の枝に紅白の小さな餅を付け、華やかな花に見立て飾ったのが、花餅(はなもち)だとか。
「花餅飾り」は、かつて、飛騨地方の唯一の産業とも言えた農事に由来し、「五穀豊穣」・「無病息災」・「大願成就」を願い、旧年の感謝の気持ちを込めて各々の家庭の大黒柱に飾られていたともいわれています。(東海美の里百選「正月を彩る」から)
23日に東白川で行われるお松様祭りでも手に入れられるようですよ。
花たより|2011月12月14日
今朝は、ずいぶん冷え込みました…外は霜で真っ白でした。
茶室で初めて、目にした時、思わず顔がほころんでしまいました。
趣のある姿はもちろんのこと、名前がいい!
衝羽根(つくばね)といいます。
4枚の羽根がついた実がぶら下がっている姿がユニークで目を惹きます。
羽根つきの羽根に似ていることからついた名前は姿、形から納得できます。
果実は煎って食用に、塩漬けしたものは料理のツマに使うそうです。
かわいらしい姿の衝羽根(つくばね)をお正月の料理の脇にそえるのも目を楽しませてくれていいかもしれませんね。
花言葉は「愛情」
花たより|2011月12月07日
枯れ木が目立つようになって青々とした八手(やつで)の存在に気付きます。
放っておいても、毎年ちゃんと球状にまとまった白っぽい花をつけてくれます。
葉が7~9つに切れ込み、数が多いという意味から命名されたといわれています。
八手(やつで)といって、思い浮かべるのは天狗ではないですか!?
天狗がうちわ代わりに持っている八手(やつで)は、魔物を追い払うともいわれています。
又大きな手にも思える葉が人を招き入れる「千客万来」の諺も意味するとかで、玄関や門など人の出入りする所に植えられているのを目にします。
厚手の葉は重い感じで陰のイメージがありますが、縁起をかついで庭木にいかがですか?
花言葉は「分別」
花たより|2011月11月30日
今年は柿のなり年だとかで、あちこちの軒先で吊るされている干し柿を見かけます。
東白川でも過疎化や、高齢化などで、放置されたままの鈴なりの柿の木も見かけます。
柿の種類は1000以上もあるそうですが、ご存じのように、おおまかには甘柿と渋柿に分けられます。
渋柿を使って作る干し柿は平安時代には既にあったということなので、日本人には非常に馴染みの深い果物だといえますね。
今のように豊かでなかった時代に、豊富なビタミン類を含んだ柿は万能な食材として重宝されたのでしょうね。
花言葉は「自然美」
花たより|2011月11月22日
紅葉が鮮やかなことから名付けられた錦木(ニシキギ)です。
錦木(ニシキギ)はモミジ、スズランノキと共に世界三大紅葉樹に数えられています。
色付いた葉っぱが散ってしまったせいか、色鮮やかな実が目立っていました。
かわいらしい橙色の実が秋の陽を受けいっそう鮮やかに見えました。
晩秋という言葉がよく似合う植物だと思い、しばらく眺めていました。
「あなたの魅力を心に刻む」「危険な遊び」
なんとも意味深な花言葉です。
花たより|2011月11月16日
もう何年も前のことですが、クリスマスのリースに使われていたこの赤くてキレイな実に釘付けになりました。
当時、こんなにもオシャレな実が、我が家の裏山にあるとは思いもしませんでした。
一般には“サンキライ”の名で知られているようですが、正式名は猿捕茨(さるとりいばら)
枝に鋭いトゲがたくさんあり、猿も捕れるという意味で付いた名前だとか。
塩漬けされた猿捕茨(さるとりいばら)の葉っぱで包まれたお菓子があるのはご存じかと思いますが、美味しいですよね。
上品な甘さのこし餡を口当たりのよいなめらかな生麩で包んだ和菓子…たまりません!
実といい、葉っぱといい優れモノです。
花言葉は「不屈の精神」
花たより|2011月11月09日
暦の上では、昨日11月8日は立冬でした。
まだ一度も霜が降りず暖かい日が続いているせいか、野山には元気な姿を見せてくれる花がたくさんありました。
薬師草(やくしそう)もその一つです。
黄色の可愛らしい花は嬉しそうに秋風にゆれていました。
対照的に咲き終わった花はうなだれていて、淋しそうに見えました。
葉っぱの形が仏像の光背に似ているから付いた名前だとか。
花言葉は「賑やか」
花たより|2011月10月28日
姿、形に派手さはありませんが、車の中から、目についた紫色の花。
花の正体は、シソ科の秋丁字(あきちょうじ)
秋に丁字形の花をつけることによる命名だとか。
花言葉は「秘めやかな思い」…奥ゆかしいですね。
清楚なかわいい花にぴったりだと感じました。
花たより|2011月10月25日
前回紹介した松虫草(まつむしそう)の近くにあった莢蒾(がまずみ)です。
紅葉が始まった里山で色鮮やかな赤い実が一段と目を惹きました。
天然のクエン酸やリンゴ酸を豊富に含み、昔から体に良いと言われ珍重された野生果実です。
昔むかし、青森県の三戸地方では、獲物を求めて一日中歩き回るマタギたちが、山中で莢蒾(がまずみ)の木の実を見つけると、山の神からの授かり物として大切にし、すりつぶして口にしたのだとか。莢蒾(がまずみ)という名は「神ツ実」という「神の実」に由来するとも伝えられています。
他にも実に酸味があることから「噛み酢実」という説などがあるようです。
花言葉は「私を無視したら死にます」
穏やかではないですね。
誰が考えたのでしょうか?…
花たより|2011月10月21日
松虫草(まつむしそう)…耳を澄ますと虫の音が聞こえてきそうな名前です。
松虫の鳴く頃に咲き始めるのが名前の由来だと知り、「なるほど!」と一人納得しました。
秋風にゆれる松虫草(まつむしそう)
群生して咲く光景は、見応えがありました。
淡い青紫色が、とても美しく、眺めているだけで癒されそうじゃないですか!?
一つ一つの花もよく見ると、可愛らしくさわやかな印象を受けました。
「恵まれぬ恋」「未亡人」「私は全てを失った」
マイナスのイメージを受ける花言葉が並びましたが、これは青紫色という花色からでしょうか…?