花たより|2010月04月30日
水芭蕉(みずばしょう)に、こんな身近で出会えた事に驚き、とても嬉しく思いました。
水芭蕉(みずばしょう)といえば、まず思い浮ぶのが、群馬県の尾瀬ですが、岐阜県でも郡上白鳥に群生地があり有名ですよね。私が出会った場所は、東白川村の中でも、山奥の静かな湿地でした。
案内して下さった方によると、これでも昨年より花は増えているとのことでした。まだまだ未完成な感じですが、これが、自然の水芭蕉(みずばしょう)の姿と、思って頂ければ嬉しく思います。
水芭蕉の根茎は毒性が強く、ツキノワグマは、冬眠後に体内の老廃物などを排出するための下剤として食べるといわれています。と、いうことは、水芭蕉のあるところに、熊が出没するということでしょうか・・・
花が終わると1mぐらいに大きく伸びる葉が芭蕉(バナナの仲間で背の高い木)に似ていて、かつ、水辺に生えるので付いた名前だということです。
仏炎苞(ぶつえんほう)とよばれる白いものは花でなく葉っぱで、本当の花は中心部の棒のような所に密集している薄緑色の小さなものです。
花言葉は「美しい思い出」「変わらぬ美しさ」「浄化」です。
水芭蕉にぴったりの花言葉だと思いませんか?!
特に、ツキノワグマの話で「浄化」は納得してしまいました。
毎年静かに見守っていきたい愛おしい花だと思いました。
花たより|2010月04月27日
昨年、その花を見かけた場所は、いつもの行動範囲より少し山奥ですが、登って行きました。
ちょっと薄暗い場所ですが、少し高い所で真っ白に咲くその花は、遠目からでも、すぐ見つけることができました。
得した気分で嬉しく、早足で近づきました。
大亀の木(おおかめのき)です。
初めて見た時は、白い額紫陽花(がくあじさい)かと思いました。
が、よくよく見ると、葉っぱが違いました。
葉脈が深く皺がよく目立ちます。
この葉が、亀の甲羅に似ていることから付いた名前だそうです。
そして、もうひとつの名前が虫狩(むしかり)…葉によく虫がつくので「虫食われ」が訛ったという説もあるそうです。
なかなか人目に付くことのないような山の中で咲いているので、お目にかかるチャンスがないかもしれませんが、是非、見て欲しいお勧めの花です。
花言葉が憎いですね…「黙っていても通じる私の心」ですって!!
花たより|2010月04月23日
車の行き来の少ない道を、先日も、低速でキョロキョロしながら走っていると、日当たりの良い山の斜面に花らしきものを発見しました。
よく見ないとわからないはずです。
花はみんな下向きに咲いていました。
しかし、真っ白なかわいらしい花が存在をアピールしているようでした。
花より、実のほうが皆さんには馴染みがあるかもしれません。
紅葉苺(もみじいちご)・・・これが今回紹介する花の正式名です。
呼んで字の如く・・葉がモミジのような形をしていることから付いた名前だということです。
実のことについて触れると、「あわいちご」とも言われ、木苺(きいちご)の仲間で、5~6月頃に黄色の実をつけ、木苺(きいちご)の中では一番美味しく食べられる物だということです。東白川で育った方なら、誰もが子どもの頃に、口にしているのではないでしょうか?!
苺は食べても、花までは知らない方が多いのでは・・・「花より団子」の私も最近知りました。
綺麗な花とは対照的に、枝には鋭いトゲがたくさんあって、素手で枝を折ることはできないほどでした。
つる状に長く伸び、あっという間に藪のようになると、近くを通る人が教えてくださいました。
木苺(きいちご)の花言葉は「愛情、謙遜、嫉妬、後悔・・・・」
真っ白なかわいらしい花、味しい実、鋭いトゲ…皆さんはどんな風に感じますか?!
花たより|2010月04月20日
今回は、東白川の「村の花」になっている、三葉躑躅(みつばつつじ)を紹介します。
開花後、枝先に3枚の葉が付くことから、この名が付きました。
本州でも関東から南に自生し、やせた所を好むようで、岩場でも咲いているのをよく見かけます。
花の色が鮮やかなので、どんな所でも、ひと際目をひきます。
小さな花を、細い枝先までいっぱい付けて咲いています。
花を間近で見ると、雄しべが、クルッとカールしていて、なかなかユニークです。
華やかさがないせいか、子どもの頃には、見向きもしなかった花のような気がします。
しかし、この三葉躑躅(みつばつつじ)は、わざわざ見に行く人や花見バスツアーまである事を知り、これからは、大切にしたいと思う身近な花になりました。
花言葉は「節制」
お花見、歓迎会の多い時期です。
参加される皆さん、度を越さないように、ほどほどにしましょうね。
花たより|2010月04月16日
花が蓮(ハス)に似ていることから、木蓮(もくれん)という名前が付いたとか・・・
木蓮(もくれん)は地球上で最古の花木と言われ、1億年以上も前から、今の花と同じ姿であったという話には、ちょっと驚きです。
太い幹の上で力強く咲く感じが、この花の歴史を静かに語っているようです。
木蓮(もくれん)というと、紫木蓮(しもくれん)のことを言いますが、今回の写真は白木蓮(はくもくれん)です。
例年、木蓮(もくれん)は、桜の前に咲きますが、今年の陽気で東白川では一緒に咲きました。
花言葉は「自然への愛」。
木蓮(もくれん)とは無関係ですが、フォレスタイルの中でも紹介させて頂いていますが、森の木で家を建てるということは、ひとつの自然への愛ではないでしょうか?!
花たより|2010月04月13日
ある華道の情報誌の名前が「しでこぶし」で、この花を知りました。
辛夷(こぶし)の仲間で、四手辛夷(しでこぶし)という花です。
四手辛夷(しでこぶし)は、東海地方の一部にのみ自生する花木で、岐阜県では、東濃地方だけに自生する日本の固有種を今回紹介します。
しめ縄などに付ける四手(しで)のように、細長い花びらの辛夷(こぶし)ということで、この名前が付いたそうです。
細長い花びらが15枚ほどあり、先が垂れ気味に折れ曲がって咲く。
私は、このバラついた咲き方と、なぜか耳に残る名前の響きが気に入っています。
力強さはないですが、たくさん花をつけた四手辛夷(しでこぶし)は見応えがあります。
近頃では庭木にされる方も多いようで、あちらこちらで見かけます。
花言葉は「歓迎」「友情」
フォレスタイルにウェルカム・・・お待ちしています。
花たより|2010月04月09日
壇香梅(だんこうばい)・・・なんという奥ゆかしい名前でしょう。
壇香は白檀(びゃくだん)の漢名で、種子に香りがあり、花が梅に似ているため、この名前がついたようです。
花の大きさは2~3センチ程で、丸く咲きます。
遠くから見ると丸く咲いているところが、私の春のナンバーワンで紹介した山茱萸(さんしゅゆ)と似ていると思いませんか?
山茱萸(さんしゅゆ)との決定的な違いは木肌です。
山茱萸(さんしゅゆ)はガサガサ肌ですが、壇香梅(だんこうばい)はツルツル肌です。
花言葉は「私をみつけて」
「大丈夫!私は毎年ちゃんとみつけているよ。」
特別魅かれる花ではないように思いますが、私はこの花をみつけると、なぜだか、すごく得した気分で、嬉しくなります。
枯れた木が多い山の中で、黄色い壇香梅(だんこうばい)は、ひと際明るく咲いているので、見つけやすいと思います。
花たより|2010月04月06日
この花の名前は知っていましたが、漢字で書くと「黄藤」だと思っていました。
なぜなら、藤の花と同じように垂れ下がって黄色の花が咲くからです。
「黄藤」も間違いではないようですが、本当の漢字を知り、驚きました。
漢字で書くと4文字、読みは3文字、…意味分かりますか?
木五倍子(きぶし)です。
木五倍子(きぶし)の名は、五倍子(ふし)」[注1]と同じ黒い染料が取れることから、この名前がついたということです。
花は黄色ですが、熟した実から黒色の染料が採れます。
房をじっくり見ると、舞妓さんの髪飾りのようにも見え、かわいらしい感じを受けますが、少し暗い林の中で、ずらりと並んだ木五倍子(きぶし)を見ると不気味な感じを受けるのは私だけでしょうか?!
ずいぶん難しい漢字をもらった花ですが、花言葉はなかなかステキです。
「出会い」ですって!この季節にぴったりの花言葉ですね。
4月は出会いの季節。
とても気持ちのいい季節になりました。山歩きをされて木五倍子(きぶし)に出会えますように・・・。
注1…五倍子(ふし)/黒の染料/ウルシ科の白膠木(ヌルデ)という木に、アブラムシが寄生してできるコブからとれる染料。
花たより|2010月04月02日
先日、事務局へ出勤する途中の道沿いに咲いている白っぽい花を見つけました。。
馬酔木(あせび)です。
「あせぼ」、「あしび」と呼ぶ人もいます。
字の如く「馬が食べて、酔う…苦しむ木」というところから、この名前がついた!というのは、皆さんもご存じのことです。
花は、どうだんにも、すずらんにも似ていて、小さく、うっすらとピンク色でかわいらしいですね。
しかし、この花の枝葉に有毒成分があるため、動物が口にすると、死に至ることもあるという怖いものです。
馬酔木(あせび)は、昔から節分と縁があります。
本来、節分には、ヒイラギの枝を使う地域が多いようですが、東白川では、毒性のある馬酔木(あせび)を魔除けの効果があるということで、使う家もあります。
また、鬼の嫌いな豆を煎る音を悟られないように、パチパチと、音をたてて燃える馬酔木(あせび)を一緒に使うという話も聞きました。
いずれにしても、伝統的な行事と関わりながら、昔からこの地にあった木だということです。
木の持つ毒性とは別に、ステキな花言葉もありました。
「清純なこころ」、「二人で旅をしよう」、「犠牲」。
花言葉から色々想像してみてはどうですか?!
花たより|2010月03月30日
この時期に、この花を取上げないとお叱りを受けそうです。
春を象徴する日本人に最も愛されている花、桜(さくら)です。
名前の由来は、「咲く」に複数形の「ら」を加えたものとも言われています。
日本に咲く桜(さくら)の8割は、染井吉野(ソメイヨシノ)と言われ、江戸彼岸(エドヒガン)と大島桜(オオシマザクラ)を交配させたものです。
咲き始めは、うすピンク色で、満開になると白色になっていきます。
桜(さくら)ほど、人の心を和ませてくれる花はないですよね。
見上げていると、忙しい日常までも忘れさせてくれ、何とも言えない幸福感が広がります。
花言葉は「優れた美人」「純潔」「精神美」
桜(さくら)の花自体は特別、強烈な印象はないのに、こんなにも日本人の心をひきつけるのは、やはり桜(さくら)さんは、「優れた美人」なんでしょう…
東白川で一番先に開花するのは、中学校の校庭の桜(さくら)です。
お花見はまだまだ、これからです。
是非、お出かけ下さい。