花たより|2012月12月19日
今週金曜日、21日は冬至。
冬至と言えば、南瓜(かぼちゃ)か、柚子(ゆず)。
今回は、今月初めに村内で撮った柚子(ゆず)を取上げてみました。
柑橘類の中では耐寒性が強く、極東でも自生すると知り、驚きです。
柑橘類に多い病気にもかからないとかで、無農薬栽培が簡単にできるとも言われているらしいです。
冬至の日に柚子湯に入るのは、江戸時代からの習慣だとか。
柚子(ゆず)の栄養価の事を江戸時代の人たちは知っておられたということでしょうか!?
ビタミンCを多く含んでおり、風邪の予防、疲労回復、肌荒れなどに効果があります。
こんな優れモノを使わない手はないですよね。
湯船に浮かべ、それを眺めながら入れば、身体だけでなく心まで温まりそうです。
花言葉は「健康美」
日本料理の脇役としても欠かせない食材。
感性豊かだった古人に脱帽。
花たより|2012月12月12日
予期せぬ大雪になった12月初旬。
毎年この時期になると、出回る花材があります。
花や実より、紅い幹が重宝がられています。
ミズキの仲間で、幹が紅くなることから珊瑚水木(さんごみずき)と名付けられた植物です。
初夏には白っぽい小さな花が咲くそうです。
葉っぱは花水木(はなみずき)によく似ていて大きめ。
落葉する頃から、幹の紅色が一段と華やかに目立つようになります。
お洒落な雰囲気から、クリスマスの自由花、アレンジなどに用いられます。
また、お正月の生け花には縁起物としても使います。
幹は柔らかく矯め(ため)もよく効くので、使いやすい材料だと思います。
寒空の下、紅く色付いた珊瑚水木(さんごみずき)の大空に向かって真っ直ぐと、そしていきいきと伸びている姿に元気をもらった気がしました。
花言葉は「洗練」
花たより|2012月12月05日
まるで紅葉したかのように真っ赤な葉っぱを付けた生け垣を見かけます。
これは、紅葉しているわけではありません。
バラ科のレッドロビンと言い、オオカナメモチとベニカナメモチの交配種です。
別名「西洋紅カナメモチ」といいます。
5月頃に花が咲き、秋になると実がなるそうですが、枝がよく伸びて刈り込まれてしまうので、生った実はほとんど見かけないらしいです。
育てやすく刈り込みにも強いとのこと。
色彩的にはどちらかと言えば、洋風の住宅に合いそうです。
シンボルツリー、生け垣としていかがですか?
花言葉は「賑やか」
花たより|2012月11月28日
皆さんは猿梨(さるなし)ってご存知ですか?
猿が我を忘れて好んで食べることからこの名前が付いたそうですが、実は、私、今回初めてお目にかかりました。
色が茶色っぽいのとマスカットぐらいの小さな実なので、山の中では見過ごしてしまいそうでした。
お許しを得、早速一つ採って食べてみました。
甘くて美味しいから、夢中になって食べる猿の気持ちがわかりました。
話に聞いていたとおりキウィフルーツみたいな味です。
緑色の果肉の中には小さな黒い種もたくさんあり、ミニキウィフルーツと言われているのにも納得できました。
ツル性植物で、このツルで吊り橋ができるくらい丈夫なものだとか。
6~7月頃には、白くて可愛らしい木天蓼(またたび)に似た花が咲くそうですよ。
残念ながら、花言葉はみつかりませんでした。
花たより|2012月11月21日
久しぶりに通った道で、私の目に飛び込んできたのがこれです。
何だかわかりますか?
枸橘(からたち)の実です。
わたしは、トゲトゲの枝を見てピン!ときました。
この棘のある枝を漂白し、花材として使うからです。
油断すると痛い思いをしますが、なかなかいい味を出してくれるお洒落な花材です。
以前は鋭い棘があることから、防犯目的で生垣に使われていたそうです。
3~4センチぐらいの大きさの黄色の実は、甘い香りがして美味しそうですが、酸味と苦味が強いので食べられるようなものではないとか。
中国から渡来した唐橘(からたちばな)を略して、“カラタチ”になったと言われています。
漢字では「枸橘」もしくは「枳殻」と書いて“カラタチ”と読みます。
又、「枳殻」は“キコク”とも読みます。
写真を撮らせていただいた家の方も「昔から“キコク”と呼んでいる」とおっしゃっていたことに納得できました。
白く可愛らしい花を春に咲かせる枸橘(からたち)の花言葉は「思い出」
花たより|2012月11月14日
今年の紅葉は色鮮やかで綺麗でしたね。
紅葉の中でも、大きさで目立つのが写真の紅万作(べにまんさく)ではないでしょうか!?
可愛いハート型の葉っぱが特徴です。
どこにでもあるのかと思っていましたが、中部地方、中国地方の限られた地域にしか自生しないとか。
別名「丸葉の木(まるばのき)」とも言われていますが、私たちの地元では、「ヒトツバ」「マルバマンサク」と呼び、紅葉した葉っぱを生け花の材料としてよく使います。
このブログの1回目に紹介した万作(まんさく)の花は黄色で春先に咲きますが、この紅万作(べにまんさく)の花は赤く、落葉し始めた今の時期に咲きます。
なるほど、万作(まんさく)の花によく似ていますが、かなり小ぶりです。
真っ赤な葉っぱばかり目立ち、なかなか花にまで目がいきませんね。
花言葉は「早熟」
花たより|2012月11月07日
今日は立冬。
いよいよ本格的な冬の到来です。
近くの雑草に絡み付いて晩秋の野に転々と咲く花…丸葉縷紅草(まるばるこうそう)
小さな花ですが、鮮やかな朱色がよく目立ち、霜の降りる頃まで私たちの目を楽しませてくれます。
私が子どもの頃にはなかったように思いますが、江戸末期に観賞用として渡来したとか。
野生化してしまったらしく、帰化植物の勢いと自然環境の変化による草花への影響を思い知らされた気がしました。
細い糸(縷)のような葉っぱと鮮やかな紅色の花から名付けられたルコウソウ(縷紅草)に花が似ていて、葉っぱが丸いことから名付けられました。
しかし、よくよく観察すると大きな葉っぱはハート型をしていました。
可愛らしい花の姿は見ている者に元気を与えてくれそうです。
花言葉は「紙一重」「常に愛らしい」
花たより|2012月10月31日
運転中に目に留まった真っ赤な実。
万年青(おもと)の実にも似ていますが、こちらの方が艶やかな気がします。
この植物を数年前に草むらで初めて見た時、異常な色鮮やかさに釘付けになりました。
が、名前を知って愕然としました。
蝮草(まむしぐさ)ですよ。
私は大のヘビ嫌い!(殆どの方が私と一緒だと思いますが…)
よりによって、日本人にとって最も身近な毒蛇の名前が付いているとは…。
名前の由来は、茎の模様が、マムシの皮膚の模様に似ているとの説と、花の形がマムシが鎌首をもたげているイメージからとの説があるそうです。
どちらの説にもうなずけますが、考えるだけで背筋がゾォーっとします。
怖い物見たさ(?)で、近づき写真を撮り今回取り上げてしまいました。
姿も名前もインパクトがあり、忘れたいのですが多分一生忘れられない植物になってしまいそう・・・
花言葉もありました…「壮大」
花たより|2012月10月24日
秋を感じる植物の一つが、風に揺れる「狗尾草(えのころぐさ)」
花穂が、犬の尾に似ていることから、犬ころ草(いぬころぐさ)が訛って狗尾草(えのころぐさ)になったとか…
「ねこじゃらし」と言った方が、一般的で、親しみが感じられるかもしれませんね。
私も、これでじゃれて遊んだ覚えはあります。
7月頃の穂の出始めは緑色をしていますが、秋が深まると色付き、ワインレッドや黄金色になるものがあります。
花言葉も、ちゃんとありました…「遊び」「愛嬌」
なんでも、狗尾草(えのころぐさ)は人類が優れた道具を発明するまで猫が退屈しないよう、神さまが用意された素晴らしい遊具であるとか…花言葉の意味が納得できそうな話ですね。
花たより|2012月10月17日
どことなく薊(あざみ)にも似ているこの花を私はずーっと、牛蒡(ごぼう)の花だと、思っていました。
雄山火口(おやまぼくち)という名前だとわかり、驚きました。
勢いよく爆発しそうで、植物とは程遠いような呼び名だと思いませんか?
火口(ぼくち)とは、火打石で火を起こす時に使う繊維の事で、この植物の葉っぱの裏についている白い綿毛を採取した物だそうです。火口(ぼくち)の大切な草が生える丘を雄山(おやま)と呼んできたことが名前の由来で、雄山(おやま)を大切に保護していたとか。
現在の生活環境からは到底考えもつかない名前の由来ですよね。
身近なものを大切にしながら生活していた先人たちの賢明さを思い知らされた感じです。
火口(ぼくち)と言われる、葉っぱの裏の繊維はお湯でゆっくりもどすと、蕎麦の繋ぎになり、栽培されているそうです。
それを、「ヤマゴボウ」と呼ぶ地方が多いらしく、私の思い込みもまんざら間違っていたわけではなかったようです。
花言葉もありました。「たくましい」です。