花たより|2010月12月07日
事務局のあるこもれびの里までの道沿いに春と秋の年2回咲く桜があります。
狂い咲きではありません。
調べてみたところ、花は八重咲きで、雌しべが2つある事が確認できたので、この桜は子福桜(こぶくざくら)ではないかと思います。
1つの花に実が2つ以上つく(子宝に恵まれる)ことから付いた名前であるとか。
春に咲く桜に比べ、ひとつひとつの花が小さく、木全体に咲いている花も多くはないので目立ちません。
霜の降りる寒い日でも、こんなにかわいらしく咲くなんて健気で褒めてあげたいような気持ちになります。
生命力の強さを感じる花です。
ちなみに「秋桜」と書いて「コスモス」と読むようになったのは、山口百恵さんの「秋桜(コスモス)」がヒットしてからだそうです。
花たより|2010月12月03日
この時期、赤やオレンジの小さな実をぎっしり付けた木を見かけませんか?
ピラカンサです。
ピラカンサと呼ばれているのは、赤い実を付けるヨーロッパ原産の和名で常盤山樝子(ときわさんざし)とオレンジ色の実を付ける中国原産の和名で橘擬(たちばなもどき)の2種類があるとのことです。
ピラカンサはギリシヤ語で「火の棘(とげ)」の意味で、枝には鋭い棘(とげ)があり、赤い実をぎっしり付けることから付いた名前だということです。
5月の終わり頃から真っ白な小さな花が咲きます。
実には微量の毒があるそうです。しかし熟すと毒はなくなるとのこと。
明るい色の花が少なくなってきたこの季節に鮮やかな色の実を付けたピラカンサを観賞用に庭に植えられてはいかがでしょうか!?
気持ちが晴れやかになりそうですね。
花言葉は「慈悲」
花たより|2010月11月30日
12月の花というイメージがありますが、実際は11月に花が咲きます。
石蕗(つわぶき)の花です。
一年中青々としている葉っぱに黄色の花が鮮やかに映り、そこだけがパッと明るく見えました。
この花が咲き始めると寒い冬が確実に近づいて来ているようで、なんとなく淋しい気持ちにもなります。
蕗(ふき)に似た葉っぱに艶があることから「艶ふき」と言い、「つわぶき」になったと言われています。
山陰の小京都と言われている島根県の「津和野」という地名は「石蕗(つわぶき)の野」から由来していると聞いたことがあります。
きっと、その地域にはこの時期、たくさんの石蕗(つわぶき)の花が咲いているのでしょう。
佃煮のきゃらぶきはこの石蕗(つわぶき)の葉から作られた物が本当だとか。
花言葉は「謙遜」
花たより|2010月11月26日
事務局の庭にある花梨(かりん)の木に付いた実です。
梨に似ていて、すぐにでも食べれそうな感じです。
硬くてすっぱいのでそのままでは食べられません。
我が家では先日硬い実を切りハチミツ漬けを作りました。
この実には、咳止め、風邪、疲労回復などに効果的な成分を含んでいます。
春に木瓜(ぼけ)に似たかわいい花が咲きますが、さほど目立つこともなく、どうやら実の方が重宝されているようです。
中国東部原産で、日本への伝来時期はわからないとのこと。
名前は、木目がマメ科の花欄(かりん)に似ていることに由来するらしいです。
花言葉は「努力」
語呂合わせで「金は貸すが、借りない」という縁起を担いで、家の裏にカシノキを,表にカリンを植えると商売繁盛に良いと昔から言われているそうです。
花たより|2010月11月19日
溝蕎麦(みぞそば)によく似た小さく可憐な花が、庭から道路まで進出し、元気よく咲いていました。
驚いたことに、その花はその家の周りをぐるりと覆ってまるで絨毯を敷いたようでした。
花も可愛らしいのですが、葉っぱも紅葉していて美しく、その眺めは見事でした。
ヒマラヤ地方が原産で、明治時代中期に渡来。
赤みを帯びた茎が長く伸びて地を這い、枝を分けて蔓のように伸びる。
その先に咲く花が蕎麦の花に似ていることから、姫蔓蕎麦(ひめつるそば)と命名されたのでしょうか。
暖かい地方では年中咲くそうですが、東白川では霜が降りるようになるとだんだん花も枯れていくとのこと。
しかし、来年になれば又元気な姿を見せてくれるとても強い花だということです。
花言葉は「愛らしい」
花も花言葉もいいですね。グランドカバーにいかがですか?!
こぼれ種でもよく増えるそうです。
花たより|2010月11月19日
菊の花は秋という季節によく似合います。
そして菊の花が最も美しく咲くのは秋だと思います。
ヨーロッパや日本で品種改良され、ここ数年ですっかり定着してきたドーム菊です。
別名ざる菊とも言われているとか。
本来菊は、放っておいても毎年咲きます。
挿し木や株分けをし、新しい場所に移すことにより、よりきれいに咲くと言われています。
こんもりとした丸い形にしたり、1つの株に4000もの花を咲かせるためには、かなり根気に手をかけなくてはいけないとのことです。
私も苗を分けていただき育てること3年。
元々まめな性格ではないためか、我が家のドーム菊はいびつで貧弱な形になっています。
ただ、年々ふっくらしてきているようなので、そのうちになんとかものになるのではと呑気に構えています。
写真のお宅は手入れが行届き、毎年庭先でたくさんのドーム菊が見事に咲いており、道を行き交う人々の目を楽しませています。
菊の花言葉は「高尚」「高貴」が一般的。
白い菊は「誠実」「貞節」。
赤い菊は「愛情」。
黄色い菊は「高潔」。
花たより|2010月11月16日
葉が赤色に変わることを「紅葉(こうよう)」
葉が黄色に変わることを「黄葉(こうよう)」
葉が褐色にかわることを「褐葉(かつよう)」といいます。
このように、落葉の前に葉の色が変わる現象を称して紅葉といいます。
紅葉という言葉は、昔「紅葉づ(もみづ)」と言った動詞から転じたことから由来するとのことです。
紅葉する植物には、カエデ科、ツツジ科、ウルシ科、ニシキギ科、バラ科などに属するものが多いといわれています。
昼夜の寒暖の差が大きいこと、適度の湿度があること、紫外線が強いことなどが揃い、鮮やかな紅葉が発現するといわれています。
この条件を満たしている日本だから、紅葉が美しいと言われているのですね。
色付いた紅葉を眺めているだけで、幸せな気分になるのは私だけでしょうか。
花たより|2010月11月12日
秋に果実と種子、紅葉を楽しむ庭木。
ニシキギ科の真弓(まゆみ)
材質が強くよくしなるので、弓の材料として知られ、名前の由来になったとのことです。
初夏に薄緑色の小花がつきますが、愛でる人もなく、かわいそうな花です。
先月末ごろから、淡い赤色の実が枝いっぱいにぶらさがるように付き始めました。
遠めには、赤い花が咲いたように見えますが、それは実です。
果実は熟すと果皮が4つに割れ赤い種子が4つ出てきます。
なかなかかわいらしい光景です。
実を砕いて水と油で練り、頭髪に塗ってしらみを落としたとか。
毒性のある成分が含まれているので殺虫剤として用いられたのでしょう。
私たちが口にすると吐き気や下痢を引き起こすので食用にはなりません。
花言葉は「あなたの魅力を心に刻む」
さて、あなたの魅力とは、いったい何でしょうか?
花たより|2010月11月09日
11月に入り、東白川の山々も色づき始め、秋色に染まりつつあります。
そんな中で全く色気付かない葉っぱを持つ花を紹介します。
柊(ひいらぎ)の花です。
キンモクセイ科に分類されるだけあって、花の形は金木犀(きんもくせい)に似ています。
柊(ひいらぎ)と言えば、鋭い棘のある葉っぱが特徴的ですよね。
触ると「ひいらぐ(疼ぐ、ひりひり痛む)」ことから付いた名前だとか。
老木になると棘がなくなり葉っぱが丸くなるのだそうです。
角が取れて丸くなる・・・人間にも、こんなようなたとえありますよね・・・
古くから邪鬼の進入を防ぐと信じられ、庭木に使われてきました。
庭木にされるのなら、葉っぱに変化のある斑入りの柊(ひいらぎ)などでも良いかもしれませんね。
花言葉は「先見の明」「歓迎」
ますます庭木にお勧めです。
花たより|2010月11月05日
この実、何だかわかりますか?
秋にはたくさんの実の物がありますが、私の中ではこれが秋の実の代表選手のような気がしています。
秋を思わせる実の色、しなやかな蔓…蔓梅擬(つるうめもどき)です。
葉っぱ、枝ぶり、実の付き方が梅に似た梅擬(うめもどき)と似ている蔓性の植物ということで付いた名前です。
小さな黄緑色の花をつける5月頃には、全く目立ちません。
黄色い仮種皮の状態になっても、まだ目立ちません。
中からオレンジがかった真っ赤な実が出てくると、ようやく目立つようになります。
かわいらしくて、美味しそうな実ですね。
真っ赤な実と黄色の仮種皮のコントラストが秋らしく美しいので、秋の生け花の花材にはもってこいです。
花言葉は「真実」